pipとは何か
pipはPythonのパッケージ管理システムで、Pythonのライブラリやツールを簡単にインストール、アップデート、削除することができます。pipはPythonの公式パッケージインデックスであるPyPI (Python Package Index) からパッケージを取得します。
pipはPythonのバージョン2.7.9以降とPython3のバージョン3.4以降にはデフォルトで含まれています。したがって、これらのバージョンのPythonをインストールすれば、pipも自動的にインストールされます。
pipを使うことで、Pythonのコードを書く際に必要なライブラリを簡単に導入することができ、開発の効率を大いに向上させることができます。しかし、pipが正しく認識されないときは、Pythonの環境設定に問題がある可能性があります。その解決法については、次の小見出しで詳しく説明します。
pipが認識されない原因
Pythonのpipが認識されない場合、主に以下の2つの原因が考えられます。
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Pythonがインストールされていない: Pythonがインストールされていないと、pipも当然使用することはできません。Pythonのバージョン2.7.9以降とPython3のバージョン3.4以降にはpipがデフォルトで含まれています。したがって、これらのバージョンのPythonをインストールすれば、pipも自動的にインストールされます。
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環境変数が設定されていない: Pythonとpipが正しくインストールされていても、システムの環境変数が適切に設定されていないと、コマンドラインからpipを認識できないことがあります。これは、Pythonやpipの実行ファイルが保存されているディレクトリがシステムのPATH環境変数に含まれていないためです。
これらの問題を解決するための具体的な対処法については、次の小見出しで詳しく説明します。
原因1: Pythonがインストールされていない
Pythonがシステムにインストールされていない場合、当然ながらpipも使用することはできません。Pythonのバージョン2.7.9以降とPython3のバージョン3.4以降にはpipがデフォルトで含まれています。したがって、これらのバージョンのPythonをインストールすれば、pipも自動的にインストールされます。
Pythonがインストールされているかどうかを確認するには、コマンドラインから以下のコマンドを実行します。
python --version
もしくは
python3 --version
これらのコマンドのいずれかがPythonのバージョンを表示すれば、Pythonはインストールされています。何も表示されない場合、またはエラーメッセージが表示される場合は、Pythonがインストールされていないか、または正しくインストールされていない可能性があります。
Pythonのインストール方法については、公式のPythonウェブサイトや各種オンラインのチュートリアルを参照してください。Pythonをインストールした後、再度pipが認識されるかどうかを確認してみてください。
原因2: 環境変数が設定されていない
Pythonとpipが正しくインストールされていても、システムの環境変数が適切に設定されていないと、コマンドラインからpipを認識できないことがあります。これは、Pythonやpipの実行ファイルが保存されているディレクトリがシステムのPATH環境変数に含まれていないためです。
環境変数PATHは、システムが実行可能ファイルを検索するディレクトリのリストを保持しています。コマンドラインからコマンドを実行すると、システムはPATH環境変数にリストされているディレクトリを順に検索し、そのコマンドに対応する実行可能ファイルを探します。
したがって、Pythonやpipの実行ファイルが保存されているディレクトリがPATH環境変数に含まれていないと、システムはそれらのコマンドを認識できません。これが「pipが認識されない」問題の一般的な原因です。
この問題を解決するためには、Pythonとpipの実行ファイルが保存されているディレクトリをPATH環境変数に追加する必要があります。具体的な手順については、次の小見出しで詳しく説明します。
対処法1: py -mコマンドを使って起動する
Pythonやpipが正しくインストールされていても、環境変数が適切に設定されていないと、コマンドラインからpipを認識できないことがあります。しかし、Windowsの場合、py -m
コマンドを使ってpipを起動することができます。
py -m
コマンドは、Pythonのモジュールを直接実行するためのコマンドです。このコマンドを使えば、Pythonやpipの実行ファイルが保存されているディレクトリがPATH環境変数に含まれていなくても、pipを起動することができます。
たとえば、pipを使ってパッケージをインストールする場合、通常は以下のようにコマンドを実行します。
pip install パッケージ名
しかし、pipが認識されない場合は、以下のようにpy -m
コマンドを使ってpipを起動します。
py -m pip install パッケージ名
この方法であれば、pipが認識されない問題を回避して、Pythonのパッケージをインストールすることができます。ただし、これは一時的な対処法であり、長期的には環境変数を設定してpipコマンドを使用できるようにすることをお勧めします。その方法については、次の小見出しで詳しく説明します。
対処法2: 環境変数を設定してpipコマンドを使用できるようにする
Pythonやpipが正しくインストールされていても、環境変数が適切に設定されていないと、コマンドラインからpipを認識できないことがあります。これは、Pythonやpipの実行ファイルが保存されているディレクトリがシステムのPATH環境変数に含まれていないためです。
この問題を解決するためには、Pythonとpipの実行ファイルが保存されているディレクトリをPATH環境変数に追加する必要があります。以下に、WindowsとUnix系OS(LinuxやmacOS)での設定方法を説明します。
Windowsの場合
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PythonのインストールディレクトリとScriptsディレクトリのパスを確認します。通常は以下のようになります。
bash
C:\PythonXX\
C:\PythonXX\Scripts\ここで、
XX
はPythonのバージョンを表します。 -
コントロールパネルを開き、「システムとセキュリティ」→「システム」→「システムの詳細設定」→「環境変数」の順に進みます。
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「システム環境変数」の中の「Path」を選択し、「編集」をクリックします。
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「新規」をクリックし、PythonのインストールディレクトリとScriptsディレクトリのパスをそれぞれ追加します。
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「OK」をクリックして、すべてのダイアログを閉じます。
Unix系OSの場合
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ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
bash
echo 'export PATH="/usr/local/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile -
以下のコマンドを実行して、変更を反映します。
bash
source ~/.bash_profile
これらの手順を踏むことで、Pythonとpipの実行ファイルが保存されているディレクトリがPATH環境変数に追加され、コマンドラインからpipを認識できるようになります。これにより、「pipが認識されない」問題を解決することができます。