MacでDockerとVSCodeを使ったPython環境構築

はじめに

Pythonは、その読みやすさと汎用性から多くの開発者に愛されているプログラミング言語です。しかし、Pythonの環境構築は初心者にとっては難しい作業となることがあります。特に、異なるプロジェクトで異なるバージョンのPythonやライブラリを使用する必要がある場合、環境の管理が複雑になることがあります。

そこで、この記事ではMac上でDockerとVisual Studio Code(VSCode)を使ってPythonの開発環境を構築する方法を紹介します。Dockerを使用することで、プロジェクトごとに独立したPythonの環境を作成し、管理することができます。また、VSCodeはPythonのコーディングに優れた機能を提供しており、Dockerとの連携も容易です。

このガイドは、Pythonの基本的な知識を持つ開発者を対象としています。DockerやVSCodeの基本的な操作方法については説明しませんので、事前にそれぞれの公式ドキュメンテーションをご覧ください。それでは、始めましょう!

DockerとVSCodeのインストール

Pythonの開発環境を構築する前に、まずは必要なツールであるDockerとVSCodeをインストールしましょう。

Dockerのインストール

  1. Dockerの公式サイトからDocker Desktop for Macのインストーラをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたインストーラを開き、指示に従ってインストールを進めます。
  3. インストールが完了したら、ターミナルを開き、docker versionと入力してDockerが正しくインストールされたことを確認します。

VSCodeのインストール

  1. Visual Studio Codeの公式サイトからMac版のインストーラをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたインストーラを開き、指示に従ってインストールを進めます。
  3. インストールが完了したら、VSCodeを開き、Cmd + Shift + Pを押してコマンドパレットを開きます。Python: Select Interpreterと入力し、Pythonのインタープリタを選択します。

これで、DockerとVSCodeのインストールは完了です。次に、Dockerを使ってPythonの環境を構築していきましょう。

Python環境の構築

Dockerを使ってPythonの環境を構築するためには、まずDockerfileを作成します。Dockerfileは、Dockerコンテナの設定を記述するためのファイルです。

以下に、Pythonの環境を構築するための基本的なDockerfileの内容を示します。

# ベースとなるDockerイメージ指定
FROM python:3.8

# 作業ディレクトリを設定
WORKDIR /usr/src/app

# 依存Pythonライブラリ一覧をコピー
COPY requirements.txt ./

# 依存Pythonライブラリをインストール
RUN pip install --no-cache-dir -r requirements.txt

# ワーキングディレクトリをコピー
COPY . .

このDockerfileは、Python 3.8をベースに、作業ディレクトリを設定し、依存するPythonライブラリをインストールする設定になっています。

次に、このDockerfileからDockerイメージをビルドします。ターミナルで以下のコマンドを実行します。

docker build -t my-python-app .

これで、Pythonの環境がDockerコンテナとして構築されました。次に、VSCodeを使ってこのDockerコンテナに接続し、Pythonのコードを実行してみましょう。

VSCodeとDockerコンテナの接続

VSCodeは、Dockerコンテナと直接接続し、その中でコードを実行する機能を提供しています。これにより、ローカルマシンにPython環境をインストールすることなく、Dockerコンテナ内のPython環境でコードを実行できます。

以下に、VSCodeでDockerコンテナに接続する手順を示します。

  1. VSCodeを開きます。
  2. 左側のアクティビティバーから「Remote Explorer」を選択します。
  3. 「CONTAINERS」セクションで、接続したいDockerコンテナを見つけます。
  4. コンテナの右側に表示される「Attach to Container」ボタンをクリックします。

これで、VSCodeはDockerコンテナに接続し、コンテナ内のファイルを直接編集できるようになります。また、VSCodeの統合ターミナルもDockerコンテナ内で動作しますので、Pythonスクリプトの実行やデバッグも容易に行えます。

次に、この接続した環境でPythonスクリプトを実行してみましょう。

Pythonスクリプトの実行

VSCodeとDockerコンテナが接続された状態で、Pythonスクリプトを実行することができます。以下にその手順を示します。

  1. VSCodeの左側のエクスプローラからPythonスクリプトファイル(.py)を選択します。
  2. ファイルを開いた状態で、右クリックメニューから「Run Python File in Terminal」を選択します。

これにより、VSCodeの統合ターミナルが開き、選択したPythonスクリプトがDockerコンテナ内で実行されます。出力結果はターミナルに表示されます。

また、VSCodeにはデバッグ機能も備わっています。ブレークポイントを設定してスクリプトをデバッグ実行することで、変数の値を確認したり、ステップ実行を行ったりすることができます。

これで、DockerとVSCodeを使ったPythonの開発環境が整いました。次に、作業を終了する際の手順について説明します。

作業終了時の手順

Pythonの開発作業を終了する際には、以下の手順を実行します。

  1. VSCodeの「File」メニューから「Close Remote Connection」を選択します。これにより、VSCodeとDockerコンテナの接続が切断されます。
  2. ターミナルを開き、docker psコマンドを実行して動作中のDockerコンテナを確認します。
  3. 停止したいコンテナのIDを確認したら、docker stop [コンテナID]コマンドを実行してコンテナを停止します。

以上で、Pythonの開発作業の終了と、Dockerコンテナの停止が完了します。次回作業を開始する際には、再度Dockerコンテナを起動し、VSCodeで接続することで作業を再開できます。

これで、Mac上でDockerとVSCodeを使ったPythonの開発環境の構築と利用方法についての説明は終わりです。この環境を使って、Pythonの開発を効率的に行ってみてください。それでは、Happy coding! 🚀

まとめ

この記事では、Mac上でDockerとVSCodeを使ってPythonの開発環境を構築する方法を紹介しました。以下にその主な手順をまとめます。

  1. DockerとVSCodeのインストール
  2. Dockerを使ったPython環境の構築
  3. VSCodeとDockerコンテナの接続
  4. Pythonスクリプトの実行
  5. 作業終了時の手順

これらの手順により、各プロジェクトごとに独立したPython環境を簡単に構築し、管理することができます。また、VSCodeの強力なコーディングとデバッグ機能を活用することで、Pythonの開発作業をより効率的に行うことができます。

Pythonの開発を始める際には、ぜひこの記事を参考にしてみてください。それでは、Happy coding! 🚀

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