はじめに: iPad ProでPythonを使う理由
近年、iPad Proはそのパワフルな性能とポータビリティにより、開発者の間で人気のあるデバイスとなっています。特に、Python開発者にとっては、以下の理由からiPad Proが魅力的な選択肢となっています。
-
パワフルなハードウェア: iPad Proは高性能なプロセッサと大量のRAMを搭載しており、多くの開発タスクをスムーズにこなすことができます。
-
ポータビリティ: iPad Proの薄さと軽さは、外出先や移動中でもコーディングを行うのに最適です。
-
長時間のバッテリー寿命: iPad Proは一日中持続するバッテリー寿命を持っているため、長時間のコーディングセッションでも電源を気にする必要がありません。
-
多機能なタッチスクリーン: iPad Proのタッチスクリーンは、コードのナビゲーションやデバッグ作業を直感的に行うことができます。
これらの理由から、iPad ProはPython開発者にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、iPad ProでのPython開発環境の設定は一筋縄ではいきません。次のセクションでは、iPad ProでPythonを使用するための必要条件について説明します。
iPadでPythonを使うための必要条件
iPad ProでPythonを使用するためには、以下の要件を満たす必要があります。
-
iPad Pro: 最新のモデルが最適ですが、少なくともiOS 13以上がインストールされているiPad Proが必要です。
-
Python対応のアプリ: Pythonista 3などのPython対応のアプリが必要です。これらのアプリはApp Storeからダウンロードできます。
-
インターネット接続: クラウドベースの開発環境を使用する場合や、ライブラリをダウンロードする場合にはインターネット接続が必要です。
-
外部キーボード: タッチスクリーンのキーボードでもコーディングは可能ですが、長時間のコーディングには物理キーボードが推奨されます。
これらの要件を満たしていれば、iPad ProでPython開発環境を設定し、Pythonプログラミングを始めることができます。次のセクションでは、Python開発用のiPadアプリについて詳しく説明します。.
Python開発用のiPadアプリ: Pythonista 3
Pythonista 3は、iPad ProでPythonを使用するための強力なアプリです。このアプリは、Python 2.7とPython 3.6の両方をサポートしており、標準のPythonライブラリに加えて、特別にiOS向けに設計されたモジュールも提供しています。
Pythonista 3の主な特徴は以下の通りです。
-
統合された開発環境: Pythonista 3は、コードエディタ、デバッガ、プロジェクトビューアなど、Python開発に必要なすべてのツールを提供します。
-
iOS向けの特別なモジュール: Pythonista 3は、iOSデバイスのハードウェアとソフトウェアの機能を活用するための特別なモジュールを提供します。これには、モーションセンサー、GPS、写真ライブラリ、通知、ウェブビューなどが含まれます。
-
スクリプトの共有: Pythonista 3では、作成したスクリプトを他のPythonistaユーザーと簡単に共有することができます。
-
外部キーボードのサポート: Pythonista 3は、外部キーボードをフルにサポートしており、ショートカットキーを使用して効率的にコーディングすることができます。
これらの特徴により、Pythonista 3はiPad ProでPythonを使用するための強力なツールとなっています。次のセクションでは、ブラウザで動くIDEのサーバーをLinuxで立てる方法について説明します。.
ブラウザで動くIDEのサーバーをLinuxで立てる: code-server or Eclipse Theia
iPad ProでPythonを開発するための別の方法は、ブラウザベースのIDEを使用することです。ここでは、code-serverとEclipse Theiaの2つのオプションについて説明します。
-
code-server: code-serverは、Visual Studio Codeをブラウザで動作するようにしたものです。これにより、どこからでもフル機能のVS Code環境にアクセスできます。code-serverをLinuxサーバーにインストールし、iPad Proのブラウザからアクセスすることで、どこからでもPython開発が可能になります。
-
Eclipse Theia: Eclipse Theiaは、VS Codeと同様の機能を持つブラウザベースのIDEです。Theiaは完全にオープンソースであり、自分のサーバーにインストールして使用することができます。
これらのブラウザベースのIDEを使用することで、iPad Proでもデスクトップ級の開発環境を手に入れることができます。ただし、これらの環境を設定するには、Linuxサーバーへのアクセスと、それらのサーバーにIDEをインストールするための基本的なLinuxの知識が必要です。次のセクションでは、クラウドIDEサービスの利用について説明します。.
クラウドIDEサービスの利用: GitPod
GitPodは、クラウド上で完全な開発環境を提供するサービスです。GitPodを使用すると、ブラウザから直接コードを書き始めることができます。これにより、開発環境の設定や管理にかかる時間を大幅に削減することができます。
GitPodの主な特徴は以下の通りです。
-
プリビルド: GitPodは、プロジェクトの依存関係を事前にダウンロードしてビルドすることで、開発環境の起動時間を大幅に短縮します。
-
完全な開発環境: GitPodは、VS Codeのフル機能をブラウザで利用できるようにします。これにより、どこからでも同じ開発環境を利用することができます。
-
統合されたデバッガ: GitPodには、Pythonなどの主要なプログラミング言語をサポートするデバッガが統合されています。
-
GitHubとの統合: GitPodは、GitHubと直接統合されており、GitHubのリポジトリから直接開発環境を起動することができます。
これらの特徴により、GitPodはiPad ProでPythonを開発するための強力なツールとなっています。次のセクションでは、JupyterサーバーをWindowsで作成する方法について説明します。.
JupyterサーバーをWindowsで作成する
Jupyter Notebookは、Pythonをはじめとする多くのプログラミング言語を対象としたインタラクティブなコーディング環境です。Jupyterサーバーを設定することで、iPad Proからもアクセス可能なリモートのJupyter環境を作成することができます。以下に、WindowsでJupyterサーバーを設定する手順を示します。
-
Pythonのインストール: まず、PythonをWindowsにインストールします。公式のPythonウェブサイトから最新のインストーラをダウンロードし、インストールを進めます。
-
Jupyterのインストール: Pythonがインストールされたら、次にJupyterをインストールします。コマンドプロンプトを開き、
pip install jupyter
コマンドを実行します。 -
Jupyterサーバーの起動: Jupyterをインストールしたら、Jupyterサーバーを起動します。コマンドプロンプトで
jupyter notebook
コマンドを実行します。 -
ポートフォワーディングの設定: リモートからJupyterサーバーにアクセスするためには、適切なポートフォワーディングの設定が必要です。ルータの設定を開き、Jupyterサーバーが使用するポート(デフォルトでは8888)をフォワーディングします。
これらの手順を踏むことで、WindowsでJupyterサーバーを設定し、iPad Proからアクセスすることができます。次のセクションでは、これらの選択肢をまとめ、iPad ProでのPython開発環境の選択について説明します。.
まとめ: iPad ProでのPython開発環境の選択
iPad Proは、そのパワフルな性能とポータビリティにより、Python開発者にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、iPad ProでのPython開発環境の設定は一筋縄ではいきません。本記事では、以下の5つの方法を紹介しました。
-
Pythonista 3: iPad Pro上で直接Pythonを実行できるアプリです。
-
code-server or Eclipse Theia: 自分のLinuxサーバーにブラウザで動くIDEのサーバーを立て、iPad Proのブラウザからアクセスします。
-
GitPod: クラウド上で完全な開発環境を提供するサービスです。
-
Jupyterサーバー: WindowsでJupyterサーバーを設定し、iPad Proからアクセスします。
これらの選択肢は、それぞれ異なるニーズと状況に最適です。自分のニーズに最も適した開発環境を選択し、iPad ProでのPython開発を楽しみましょう。.